人間たちは、「マナ」と呼ばれる画期的な情報伝達・物質操作能力を遺伝子操作で生まれつき持ち合わせるようになった。その結果、戦争や環境問題、食料不足などの諸問題は解決し、しばらく世界に安寧の日々が訪れた。
一方で、突然変異により時折現れるマナを扱えないイレギュラーらたちは「ノーマ」という蔑称の下で差別されていた。「ノーマ管理法」と呼ばれる法律に基づきノーマたちは社会から隔離され、人類の敵「ドラゴン」と戦うための道具として扱われていた。
大国「ミスルギ皇国」の第一皇女で、民衆から絶大な支持を受けていたアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギもまた、幼き頃からしばらくノーマ根絶を理想とする思想に染まった人間の一人である。しかし、実は彼女もノーマであり、両親の庇護の下で、本人すら知る由もないほどまでにその事実を徹底的に秘匿された状態で育てられていた。16歳を迎えて洗礼の儀が執り行われた際、兄・ジュリオによってその事実を暴露され、忌むべき猛獣として囚われてしまう。混乱の最中、アンジュリーゼの母・ソフィアは銃弾から彼女を庇って命を落とし、父・ジュライはノーマを隠してかばっていた咎により皇帝の座を追われる。こうして皇帝の座を奪ったジュリオはミスルギ皇国の名を「神聖ミスルギ皇国」と改め、その初代皇帝として君臨すると共に、アンジュを辺境の軍事基地「アルゼナル」と追放する。
追放の憂き目にあったアンジュリーゼは身分だけでなく名前すらも奪われ、人型機動兵器「パラメイル」を駆る一兵士「アンジュ」にその身を落とし、ドラゴンとの戦いを強要されることとなった。戦闘中に感じた死の恐怖と生への渇望から過酷な環境の中で生き抜こうとする意思に徐々に目覚めながらも、払拭できない差別意識ゆえにアルゼナルの仲間たちとの衝突や不和を繰り返すアンジュであったが、やがてノーマと世界を取り巻く真実を知ることとなる。
仕組まれた世界の真実とそこに暮らす人間たちの醜さを目の当たりにしたアンジュは、ノーマを否定する世界を破壊し、ノーマが差別されずに暮らせる世界を手に入れるため、そして自らの意思で生き抜くために動き出す。